これは今から1000年程昔の物語。

機械や兵器はなく、人々は自給自足の生活をし、刀や弓矢を持って戦っていた時代。

都に邪悪な鬼、悪鬼が現れました。

悪鬼は人々を傷つけ、田畑を破壊しました。

そこで、帝は陰陽師を率いて、悪鬼討伐を行いました。

討伐は苦戦を強いられ、討伐隊の大部分は壊滅してしまいました。

そんな時、帝はある鬼と契約をしたのです。

汝は何故戦う?汝は何のために戦う?

鬼の問いかけに、帝は答えました。

この都も、都に住まう者達もすべて私のものだ!
私は、私のものを奪おうとする悪鬼が許せない。
私は自分のために、自分の守りたいもののために戦う。

帝の答えに、鬼は鈴の鳴るような声で笑いました。

人間はやはり貪欲だ。
だが、その欲望が我ら鬼を強くする。
汝に我が力を貸そう、汝の欲望のままに振るうがいい。

鬼の力を手に入れた帝は、その力で悪鬼を倒しました。

人々は悪鬼を倒した帝を、後世敬い続けました。

それから数十年後、帝のように鬼と契約する者が数多く現れ始めました。

人々はその者達を、帝の使いという意味を込めて帝使(ていし)、又は、鬼使いという意味を込めて鬼使(きし)と呼びました。