会場に足を踏み入れればそれに気が付いた主催者、僕らの知人が寄ってきた。


「やあ、久しぶりだね。こんな個人的なパーティーに毎年足を運んでくれてありがとう。」

「いや、こちらこそ招待してくれてありがとう。個人的なパーティーの割には人も多いし毎年楽しませてもらっているよ。」


君は僕の隣でニコニコと笑みを浮かべている。

知人が他の挨拶回りで僕らから離れたら、君も僕も別々に楽しむ。

ホールの中央では何組かの男女が踊っていた。

ここ数年、僕らがあそこで踊ることはない。

適当に料理や飲み物を摘みながら、顔見知りの参加者と談笑する。

外面の良い僕らの関係は、まだ入籍しないのかと冷やかしのネタにされる。

その度に曖昧に誤魔化すのは君も僕も同じだ。

1度ホールの音楽が途切れる。

踊っていた人らが喉を潤しに戻って来た。

ふわふわと微睡んだオーラが幸せそうに見える。