「菜美?どうかした?」

そばに来ていた夜子に声をかけられて、自分がぼーっと爽の事を見ていたことに気づいた。
爽も、どうすればいいかわからない様子で私の方を見ている。
なんか、そんな自分に恥ずかしくなって視線を夜子の方にやって「何でもない!」そう言って笑った。

この時私は、自分のことばっかで、全然人の気持ちを考えてなかった。
爽が、そんな私をどういう気持ちで見ていたのか。
美桜が悲しそうな目で、その様子を見ていたことに。

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私たちは、それから夏祭りを楽しんだ。

私も、楽しんだつもり。

今日の美桜は、積極的でつねに爽の隣を歩いていた。
それは、それで良かったのかもしれない。
爽と隣に並ぶことがなく、気まずくならないですむから。
でも、胸が痛む。
このごろの私は、嫌い。
なんか、矛盾してばっかりだ。
どうしたいのかわからない。
爽と話したいの?
それとも、このまま、話さないで気持ちがなくなるのを待ってるの?
そう、それが1番...いい。