「菜美頑張ってね!」

夜子が、応援してくれた。うんと言う代わりに笑顔を向ける。

そして、私の手にバトンが来た。

バトンをしっかりとキャッチ出来て、順調な走り出しだった。

前には、1位のチームが。
応援席からは、歓声が聞こえてきて、本部の近くに来た時、私は爽の声を見つけたの。

「菜美ー!!頑張れ!」

好きな人に応援してもらえるとこんなに力になるんだ。

「はいっ!」

「任せて!」

私は、最後の少しの距離で1位の人を抜かしてアンカーにバトンを渡す。
その子は、陸上部だったため、そのまま1位でゴールテープを切った。

まだ、息があがってる。
息を整えて、入場門前のスタート地点を見た。

美桜…

次のリレーは、400mリレー。
美桜が出るリレー。
美桜は、1走者目。
このリレーには夜子も出る。
夜子は、運動が得意なため、アンカーになっていた。