「だから、ね?菜美ちゃん、頑張って!」

「うん、頑張ってみる!」

そう言った、私に美桜は優しく微笑んだ。

「菜美ちゃんは、私の自慢のお姉ちゃんだから、大丈夫だよ!」

振られたっていい。
大好きな気持ちを伝えられたらそれでいい。
このまま止まってるんじゃなくて、私も、未来へと歩み始めなければ行けない。
この気持ちを自分の心の中に留めていたって意味がない。

「私、頑張って来るね!ありがとう美桜。」

「頑張って!」そう言ってまた、美桜は私の背中を押してくれた。

私は、ドレスの裾を持ち早足で階段を駆け下りる。

もう、キミに気持ちを、大好きを伝えると決めたから。
もう、後戻りはしないから。

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一人ぼっちになった屋上で、

「菜美ちゃん…頑張ってね…」

そう言った、美桜の目からひとしずくの涙がこぼれた。