さっきまで気づかなかった私は馬鹿なんじゃないかと思う。
あの子は確か、さっき教室で爽が助けた女の子だった。
さっきも、それでへこんでいたのに、さらにへこむ。
だって、私はふたりが並んでいるところをみてお似合いだと思ったから。
まさか、あの子が告白するとは思ってなくて…

「まぁ、告白しても成功するわけないんだけど…」

ここで、爽の事を待っていても仕方がないのに、どうしてもこの場から離れられなかった。
OKしたの知りたかったから…

ガラッ

保健室の扉が開いて先に女の子が出てきた。
その女の子は、友達の元に駆け寄って…泣いていた。

「私…振られちゃったよぉ…」

「里奈は、頑張ったよ!」

里奈、そうよばれた女の子はほんとに爽のことが好きだったんだって、伝わってきた。