「あ、怪我したんだよね!私達邪魔だったね!」

そう言って、出ていこうとすると「違うんです…」とその子は言った。

「私…その…蒼井先輩に…用があって…」

顔を赤らめて言う姿に、私の心には不安が押し寄せた。
今から、女の子がしようとしていることがわかってしまったから。

「…じゃ、わ、私は、いくね?」

「菜美…さっきなんか、いいかけてなかった?」

「…ううん!なんでもない!じゃね!」


そう言って、そそくさと保健室から出た。
保健室から出てすぐの階段の壁に寄っかかって気持ちを整理していると、告白するであろう子の友達が、保健室から出てきてその前で待っていた。

ここで本当にあの子告白してるんだ…と実感した。

胸がモヤモヤする。

「…そういえば…さっきの!」