「菜美は...真守の事が好きなんだろ?」

その言葉に、驚いた。
同時に胸が痛む。
爽には、そんなこと言われたくなかった。

「...えっ...なん」

私の言葉をさえぎるようにして、爽が話し始める。

「体育大会の時も、真守の手握って走ってったし...夏祭りの時だって2人でいたし...だから、そうなんじゃねーかなって」

やめて。
違う。
私が、好きなのは、爽。
そう言えばいいのに、言えない。
黙る私に、爽はまた私が言って欲しくなかった言葉をはいた。

「菜美は...俺の事嫌いなんだろ?」

━━チクッ
なんで、そんなこと言うの?

「そんなわけないっ」

私は、すぐに否定した。
私に聞いてきた後の爽の顔は傷ついているみたいだった。
そんな顔見たくない。
なんで、そんなこと言うの?
なんで、そんな顔するの?
聞いてきたのは爽だよ?
もう、涙が溢れそうだった。