「これ、1人で持ってこうとしてたの?」

「そ、爽!」

優しい声で聞いてきたその人は、爽だった。
しばらくまともに話してないからびっくりした。

「これ、俺が持つよ。」

「え、いいよいいよ!わ、悪いし!」

私は慌ててその袋に手をかける。
手をかけたとに、爽の手に少し触れて顔が熱くなった。

「ご、ごめん...」

そんな、私は上を向けなくて、今爽がどんな顔をしてるのかわからない。

迷惑って顔してるかな?

恐る恐る顔を上げるとそこには、優しい笑顔があった。
久しぶりに見た、その笑顔に胸が高鳴る。

「1人で持って行けないだろ?」

「う、うん...」

「俺を教室に用あるし、一緒に行こっ」

その笑顔に自然と顔の筋肉が緩んだ。

「...ありがとう!」