その日は、あれから何も言われなくて。


今日は、ちゃんと教科書を持って来てるみたいだった。





***

5時間目が、家庭科だったので、あたしと瑠海ちゃんは家庭科室へと移動していた。


すると、何にもないところでつまづいてしまった。


「大丈夫!?」

「うん…ありがとう」

あー…恥ずかしい。


瑠海ちゃん以外の周りの人に笑われちゃうし…



「はい。落ちてたよ?」


あたしの家庭科の教科書と筆箱を渡してくれた綺麗な人。

つい、見とれてしまう程の顔だった。