「まぁ…ほっとけなかっただけよ。
じゃあね」
背を向けて帰ろうとした西田木さん達を、あたしは引き止めた。
「あ、ありがとう…!!
あたしのこと助けるつもりじゃなくても、嬉しかったから。
ほんとに、ありがとう…!!」
ピタリ
西田木さん達は歩くのを止めた。
「大瀬戸さん、ほんと単純バカ」
「そんなんだから目つけられんのよ」
振り向いた野田さんと浅田さんに呆れたような声をして言われる。
けど、全然嫌な感じじゃなくて。
2人が、笑ってたから。
あたしも、つい笑ってしまう。
「じゃああたしからも言わせてもらうわ。
あの時、由真くんと話したくらいで調子のんな。なんていってごめんね」
西田木さんは、振り向かずにそういうと、歩き出した。
だけど…なんだか胸があったかい。
あたし…嬉しいんだ。
西田木さん達と、仲良くなれた気がして。
そう思うのは、あたしのワガママかもしれないけど。
「ば、バイバイ!!」
西田木さん達にかけた言葉。
返事はなかったけど
西田木さんが、片手をあげた。
そして、手を振ったんだ。
“バイバイ”……って。