*王子と冴えないプリンセス*



「はー…じゃあ言うけどさあ

バスの座席、前行ってくんない?」

「えっ…」


そういうことか…。

本城さんの隣の座席になりたいから、あたしを呼んだんだ。

でも…本城さんと話せるチャンスは、その時しかないかもしれないし…。

そう思うと、簡単に席を譲る気にはなれなかった。


「それは…無理です」

ぽつり。

消えいりそうな声だったけど

考えるよりも先に、出た言葉。

言った後まずいと感じたけど


遅かった。


「…はあ?」

美香山さんに睨みつけられる。

「お前今なんつった?」

そういうと、美香山さんたちに、じりじりと校舎の壁際に追いつめるられる。


怖い。

足が震えそう。

「調子のってんじゃねぇよ!!」

「身の程知れブス!!」

「由真くんとお前じゃ釣り合わねんだよ!」

美香山さんの友達の罵声が

やけに耳に響く。

それだけでも押し潰されそうなのに

目の前の美香山さんを見てると

もっと絶望的な気持ちになった。

あたし…どうなっちゃうんだろう。