*王子と冴えないプリンセス*



連れてこられたのは、校舎裏。

人が来る気配なんてまるでない。


手入れのされていない成長しきった雑草が、沢山生い茂っている。


空気もなんだかジメジメしていて、早く帰りたい。


すると

グループのリーダーの女子、美香山(みかやま)さんに睨まれた。

「あのさぁ…頼みがあるんだけど…言わなくても分かるよねぇ?」

「えっ…」

頼み?

なんの頼みだろう…

そう思って考えを巡らせるけど、分からない。

考えこんでいると

「とぼけないでくれない?」

と言われた。

美香山さんがそう言うと、

「大瀬戸さんほんとは分かってるんだよね?」

「マジで心当たりないの?」

と、美香山さんの友達に口々に言われる。

西田木さんの時は3人だったけど

今回は美香山さんを含め6人。

つい、その威圧感にすごんでしまう。

西田木さんの時も十分怖かったけど

今回はもっと怖い。

好き勝手言われて悔しいのに、うまく声が出ない。

それに…この人たちに聞かれていることが、ほんとに分からなくて。


やっとの思いで出した言葉も、怖くて声が上擦ってしまった。

「わ…分からないです」