*王子と冴えないプリンセス*



「えっ…」


つい、聞き返されて返事に困る。

あたしは…


「あたし、教科書拾ってくれた時にね、すごい優しそうな人って思って…。

そんな、酷いことをする想像が、出来ないんだ」


「…確かに。私も想像出来ない。

仁菜ちゃんさ、本城さんに冷めたって言われたって言ってた日、あったじゃん。

あの日、2人がどんな会話してたか覚えてる?」


たしか…あの日は、先輩が本城さんに抱きついてて…



「本城さんに、別れたつもりない…みたいに言ってた。

本城さんは、失せろってすごく怒ってるみたいだったけど」


「私ね…ほんとに優しい人なら、別れたつもりない。なんて本城さんに言わないと思うんだ。

だって、本城さんも、怒ってたんだよね?」


確かにそうだ。


あの時は、2人がそんな話をしていることに驚いて

本城さんにも嫌われたって思って。

本城さんに嫌われたことが悲しくて、そのことで頭がいっぱいだったけど。


よくよく考えてみれば…


「先輩、すごく強引だよね…。

本城さんが迷惑がってるのも、分かってるはずなのに」