*王子と冴えないプリンセス*



本城さんはあたしが嫌いなハズで。

なのに、謝るの…?


聞きたい気持ちをグッと堪えながら、必死に目を瞑る。


「朝…挨拶してくれた時、無視してごめんな…
ほんとはすごく嬉しかった…
それと、1時間目いなかったの…泣いてただろ?
俺のせいだよな。やっぱり…。
でも、このまま…俺のこと嫌ってくれればいいから…
最低な男だろ?俺…

でも、こうでもしないと大瀬戸を守れないんだ…
こんな守り方しかできないなんて、ほんとに俺って弱いよな…
でも、大瀬戸を巻き込みたくないから」


守る?

あたしを?

「…って、寝てるから、聞こえてるわけないよな……」


そういって、あたしの髪を少しかきあげると


あたしの頬に、柔らかな本城さんの唇が

触れた。

ほんとに一瞬のことで。


「…んっ…」

突然のことで、つい声が漏れてしまう。


みるみるうちに、頬が赤くなっていくのが、自分でも分かった。


「……赤いのは、気のせいだよな…」


そう呟くと、本城さんは教室を出て行った。