*王子と冴えないプリンセス*



机に顔を突っ伏してるから、誰が入ってきたのかはわからない。

でも、徐々にこちらに近づいてくる足音。



カタン……

隣の席から、椅子に座る音がした。


隣の席……ってことは、本城さん、だよね…


すると…あたしの頭に…

本城さんの手が、触れた。



どうしよう…。

うるさいくらい心臓がドキドキしてる…


冷めたって言われて、あんなに傷ついてるはずなのに


本城さんがこんなにも近くといると思うと


やっぱり、嬉しいんだ…。


本城さんの手は、優しく…

まるで、壊れ物を扱うかのような優しい力加減で、あたしの頭を撫でている。

本城さんは、いま、どんな表情をしているの?

どうして、こんなことするの?

見たいし、聞きたい。

今なら出来るのに…

出来ないんだ…。


そんなことをしたら、前みたいな冷たい本城さんに戻ってしまいそうだから。

だから、せめて…

今だけでも…優しく触れてて。