*王子と冴えないプリンセス*



…でも、ひーくんのことが好きだったって瑠海ちゃんに言ったのは、あんなことがあって数日経った頃だった気がする。


「でも、その頃ひーくんのことが好きって、あたし瑠海ちゃんに言ってなかったと思うんだけど…」

「見てたらわかるよ…

だって、神咲君と話してる時の仁菜ちゃんは、すごく嬉しそうに笑ってたから」


あたし…そんなに顔に出てたのか…。
そう思うとなんだか照れてしまう。

「だから…それが分かってたから、余計言えなかった。

だけど、神咲君と仁菜ちゃんがデパートに行くって聞いた日は、本当にビックリしたんだ…

もし、仁菜ちゃんに何かあったら…って。

なのに私は…遠回しにしか伝えることができなかった」

「え…?」

その時ふと思い出したのは



“一番近い距離にいるってことは、一番傷つく距離にいるってことだよ”


って言ってた、瑠海ちゃんの言葉。