*王子と冴えないプリンセス*



キーンコーンカーンコーン…

話し終わったと同時に、チャイムが鳴った。

「あっ…!HR行かなきゃ…始まっちゃう」

「朝のHRと1時間目はサボらない?」

「えっ…?!」

普段真面目な瑠海ちゃんからでた意外な言葉に、つい走ろうとしていた足が止まる。

「だって…仁菜ちゃん…

すごく目が腫れてる。
それだけ悲しかったってことだよね?
今クラスに戻っても、辛くなるだけだと思うし…

なにより仁菜ちゃん自身、今何すればいいか分からないでしょ?」


「…それはそうだけど」

「だったらなおさらだよ。こんな時くらいは、サボってもいーと思うんだ。

仁菜ちゃんの目も、治さなきゃだしね。そんなんで戻っても、目立つだけだよ」

エヘヘと笑う瑠海ちゃん。


「でも、あたしは良くても…瑠海ちゃんの…成績とか」

…瑠海ちゃんを巻き込んで、成績を下げることはしたくない。


「んー…一回サボったくらい、大丈夫だよ。それより、仁菜ちゃんが今は大変でしょ」

「…っありがとう…」


あたしは、幸せ者だ。
こんなに、考えてくれる友達がいるから。