*王子と冴えないプリンセス*



「いっ…痛い!」

瞬間、首筋にチクリと鈍い痛みがあたしを襲った。

「な、何したの…?」

「仁菜が俺以外の男にこんなことされないようにする“刻印”だよ」

刻印…?

なんでひーくんは、こんなこと…

「仁菜は俺の“所有物”。だから、俺以外の男にこんなことされたら、きっと俺にされたこと思い出して拒絶するはずだよ」

「それは…ひーくんも一緒だから!」

「あはっ…そうかな?仁菜、俺の前では、もうただの人形みたいに固まってるよ?」

そう言って、太股を撫でられる。

「仁菜は…俺にこんなことされるの、ずっと待ってたんだよね?」

少し興奮気味にそういうひーくん。

もう、されるがままだった。

所有物という言葉を聞くと、不思議と抵抗するのも無駄に思った。

ほんとの彼を知る前なら、どんなにドキドキしただろう。

今はそんなことしか思えない。

あたしは、ひーくんの所有物として、これから先、恋もできないんだろうな。



そして、顔が近づけられ…

ファーストキスも、奪われるんだと思った。

その時…