*王子と冴えないプリンセス*



「ひーくんなんて、嫌い!」

「ははっ…強がらないでよ。ブレスレットまでつけてるのにさ」

「そんなことない…っ!」



ブチッ…

あたしは、つけていたブレスレットを

力いっぱい引きちぎった。

ちぎれたブレスレットが、

シャラ…と虚しい音を立てて

床に落ちていく。



確かに、これは強がりかもしれない。

まだ、こんなことをされても

あなたのことが好きなあたしが少なからずいる。

それは、今までの優しいひーくんを知っているから。

だけど、あれがひーくんの演技だったのだと思うと

あたしは、あんなに一緒にいたのに、少しもほんとのひーくんの姿を知らなかったんだなと思ってしまう。