*王子と冴えないプリンセス*



「さ…俺らは2人で楽しもっか♪」

クスリと笑う彼。

ようやく押さえられていた手が離れた。

「…っ…追いかけなくて、いいの?」

あたしは、彼にある恐怖をなんとか押し殺して聞いた。

「どーでもいいよ。あんなやつ」

涼しい顔をしてそういう彼が、もっと怖くなった。

「な…なんでそんなこと…いえるの」

ありえない。

友達じゃないの?


「いたっ…」

あたしの思考は、ひーくんの冷たい手によって遮断された。

あたしの手首を、痛いほどつかむ。

そして、机に追い詰められた。