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あの日から、二週間がたった。
普段とは変わらない学校生活。
もちろん、ひーくんとは、なんの進展もない。
唯一違うのは、ひーくんからもらったブレスレットを毎日学校につけて来てること。
それだけで、なんだかドキドキするんだ。
瑠海ちゃんは
「良かったね」
なんて、ブレスレットに対しては素っ気ない返事だけど…
その日の放課後。
あたしは1人、出し遅れていたノートを先生に出すため、廊下を歩いていた。
職員室に向かうため、普段使わない廊下を歩く。
すると…聞きなれた声が、使われていないはずの空き教室から聞こえてきた。
「もっと脚開けたら?撮れないんだけど」
ひーくんの…声?
な、なにしてるの…?
話し方とか…声とか、まるで別人みたい…
あたしは怖くなって、壁に背をつけた。
声だけしか聞こえないけど、怖くて、何が行われているかなんて、見られない。
「うぅ…っ。うっ…」
泣いてる女の子の声。
だけど、すごく息が辛そう…
なんとかしなきゃ。
だけど、あたしの足は、凍りついたようにうごかない。
「あーあー…こいつまじ使えねぇ」
ひーくんの声が、冷たく聞こえる。
すると、聞いたことのある声が聞こえた。
「お前大瀬戸いつヤるんだよ」
あ…た、し…?
しかも、この声…
前にデパートで声を掛けてきた…
「悠さぁ、その前にこの女なんとかしろよ」
あぁ…
ひーくんの、友達だっけ…
やるって…何をするつもりなの…?

