*王子と冴えないプリンセス*



「あの時のお礼…ほんとに覚えてたんだ」

思い出した後、クスッと笑ってしまった。

あたしだって忘れてた。

だけど、ひーくんはあんな昔の事を覚えていて、実現してくれたの。

単純に、嬉しい。


「当たり前じゃん…今更で、ごめん」

「ううん…あたしでも言われなきゃ忘れてた。けど、嬉しい」

ついにやついてしまう。

好きな人からのプレゼントは、こんなにも胸が躍るんだね。

「…受け取ってくれる?」

「うん!そういうことなら、もらっておくね。ありがとう」

あのジュエリーショップにいったのは、好きな人にあげるためじゃなくて、あたしのためだったんだ。

なんだか、ホッとしたと同時に

すごく嬉しい。

服だって、きっとひーくんがただ欲しかっただけなんだよね…

そう思うと、不安なんて消えた。

「だけど…実はね、今までも俺と仲良くしてくれてありがとうって意味もあるんだ…。だから仁菜、これからも友達で居ようね」


これからも…友達…

その言葉は、思った以上に、胸にグサッと突き刺さった。

「…うん」

ひーくんは…これからも、あたしのことを友達としか、見てくれないのかな…