*王子と冴えないプリンセス*



着いたのは、ユメシティという大型デパート。

「服屋に寄っていい?」

ひーくんは突然そういった。

「買いたいものって、服だったんだね!」

「うん…もう買う服は決めてあるんだけど…色で迷ってて…女子の意見が聞きたくてさ」

「えっ…」

あたしのこと…女の子って思ってくれてる?

そう思うと同時に、沸き上がる不安。

好きな人、出来たのかな…?

なんて、思ってしまった。

だけど、ひーくんは何も言ってないし、彼女なんてもし出来たら、あたしにも報告するはずだし…

気にしなくて、いっか…

そう、自分に言いきかせた。


「えっ…て、どうかした?」

ひーくんの大きな瞳に不安げに見つめられる。

あたし、そんな不安にさせるほど、表情に出てた…!?


「ううん!なんでもないよ!」

内心パニックになりながら、あたしは笑ってそう言った。

「なんだよそれー。仁菜らしくないな」

そういうと笑い出すひーくん。


ひーくんは、気づいてるのかな。

あたしの気持ち。

切ないって、こんな気持ちなんだね…