*王子と冴えないプリンセス*



自然と胸は高鳴る。

「仁菜が、困ってるじゃん」

ひーくんは、少しムッとした様子でそういった。

やっぱり、ひーくんだけは違う。

周りにいるような男子じゃない。

ちゃんと、相手のことを思いやれるし、嫌なことは言わないし…

なにより、あたしのことを、一番に分かってくれてる。

「…ちょっとからかいたくなっただけだし…」

バツが悪そうにそういうと、悠という男子は

「じゃあな」

とだけいうと、去っていった。

「…あの人、何だったんだろうね…」

あたしは、そう呟いた。