*王子と冴えないプリンセス*





雨の中、あたしは走った。


どこに向かうのかも考えないままに、


ただ一心不乱に前だけを見て走る。



その時、こらえていた涙が頬を伝った。


「…っ……うぇ…ひっ…く…」

息がしにくい。


ただ、苦しい。


こんなことになるくらいなら、先輩と話している本城さんを見なきゃ良かった。

そう思っても、もう遅くて。




唯一分かるのは、


もう”終わった”



ってこと。