「右京さん…

右京さんは運命って信じますか?」


だめだ…
また涙が出てくる…


「運命?
そんなの全然信じない」



「よかった…
右京さんがそんな人で…」



「そんな人ってどんな人だよ。

でも、今の俺には、運命にも神様にも譲れないものが一つだけある」



「譲れないもの…?」


右京は満面の笑みを浮かべながら咳払いをした。


「律だけは誰にも渡さない。

神様だろうが、運命だろうが、そんなの関係ない。
そこだけは絶対に譲れない…」


律の心はもっと右京の力強い言葉を求めていた。


「もし、私が他の誰かと赤い糸で結ばれていても?」


右京は可笑しくて律の顔をくにゅくにゅした。


「律はそんなのを信じる性質なんだな…
もし、律がキリン君と赤い糸で結ばれているんなら、俺がその赤い糸を断ち切って再生不能になるように燃やしてやるよ」


律は右京に抱きついた。


絶対、絶対、約束して…


右京は律の目をジッと見て、我慢できずにキスをした。
まるで自分のしるしをつけるかのように優しく、長く、そして狂おしいほどの甘いキスを…