CDコンポを最大音量にする直前、梓の耳に姉の恋人の悲痛な声がかすめた。 構わず、梓はボリュームをあげた。 仕方がないのだ。 あれが姉と恋人との愛の形。 下手に自分が間にはいっても、殴られるだけだと、梓はすぎりと痛んだお腹をさすった。 そこには、姉からうけた、暴行の跡がある。