タカラモノ ~同じ空の下で~



あと、可愛いっていうのも余計な言葉だよ。



「この前は遠かったけど、本当に可愛いな。」


「碧のやつ、こんな可愛い彼女と喧嘩なんかしてたのかよ〜」


「俺だったら絶対泣かせないな。」



谷口くんが扉を開けたと同時に立っていたあたしは、部員さん達の言葉を聞いて、少しだけ部員さん達の方に近付いた。



「…あの、なんで喧嘩したこと、」


「あ〜こいつが口軽いから。部屋で喧嘩してたのを聞いて皆に言ったんだよな。」



1人の部員が谷口くんを指してそう言った。


あ…

喧嘩した時、谷口くん部屋にいたんだ。



「その言い方、俺が悪いみたいじゃねーかよ。俺が言わなくても碧の雰囲気で分かるだろ。」


「確かに、碧元気なかったし、練習に身が入ってなかったしな。」



元気がなくて、練習に身が入ってなかったって……あたしのせいで、そんな、



「でも、事故にあった時、仲直りするんだって今日電話してしっかり話すって言ってたんだよ。だから明日から元の碧に戻るって思ってたのによ…」


「あいつ、今日の夜しっかり話すから。ありがとう。って俺らに言ってきてよ…。すっげー笑顔で。なのに、前から来てる自転車にぶつかって…」


「碧は彼女のこととか、大切なもののことになると、周りが見えなくなるもんな。」



部員さん達の話を黙って聞いてたけど…


ちょっと待ってよ。

碧は、あたしと仲直りをするとかそんな話をしていた時に事故にあったの?


……もし、あたしと喧嘩なんてしなかったら、こんなことにはならなかったの?


あたしがあんなわがままなんて言わずに、分かったって素直に聞いてたら、こんなことにはならなかったの?


あたしがごめんねって早く電話をして、仲直りしていれば良かったの?