[碧side]



…はぁ………



「碧、最近ため息多くないか?」



同学年の部員の1人に、練習試合が終わって自転車で寮に帰ってる今、言われた。


ため息…


自分でも最近多いなって思ってる。


でも、やっぱり1週間…美波と電話をしないというのは辛いもので、ため息も出るし、練習にも身が入らない。


こんなんじゃ地元に戻らず野球に集中すると決めた意味がないじゃないか…


やっぱり、美波が俺の中でどれだけ大きい存在なのかが分かる。


でも、自分から電話をすることは出来なくて、しないといけないのに…そんな勇気が中々出ない。



「碧はあの可愛い可愛い彼女ちゃんと、喧嘩しちゃったんだよな〜!」


「拓磨は黙とっけ!」



拓磨が隣から口を挟んできた。


今は寮生活をしている野球2年生の6人で自転車に乗って帰ってる。


俺と美波との電話を横から聞いていた拓磨は、喧嘩したことを全部知ってる。



「あらあら、怒ってるよ〜。」