すると、予想もしてなかった、とてもあたしにとって悪い現実をつけつける言葉を碧は言ってきた…
『俺、今年の夏休みは帰らないんだ。』
帰れないんだ。じゃなくって、
帰らないんだ。
それは碧が自分で決めたっていう言い方だよね…
「……え…どう、して?…」
とても期待して、楽しみだったあたしにとって、碧の言葉は胸に刺さる言葉でしかなかった。
『野球に集中したいんだ。電話は出来るし?いいだろ?』
「…そ、そんなの、こっちに何日か来るくらいいいじゃん…っ。野球に集中だって、出来るでしょ…?」
こんなにわがままを言うつもりはないのに、何故か口から勝手に言葉がたくさん出てくる。
碧を困らせるだけ、って分かってるのに…
会えないっていうショックが大きすぎて、碧を必死に止めてしまう。
『そっちに帰ったら……美波に会ったら、集中出来なくなるんだよ。』
「なによ…それ…」
『なんだよ、そんなに俺に会いたいのか〜?』
絶望するあたしに、冗談を交えて言ってくる碧。