もう、わけわかんない…
なんで碧がいるの?
この指輪はなに?
もう聞きたいこといっぱいなのに、涙が溢れ出てくるばかりで、何も聞けない。
ベランダから出てきた碧は、なんかすごくニヤニヤしてて、あたしのところにどんどん近付いてくる。
「美波、なんでそんな泣いてんだよ。」
ちょっと戸惑った感じで、あたしを抱きしめて涙を親指で拭いてくれる。
「今日、何の日か分かる?」
「きょう……ホワイト、デー、?」
「そう!だから、サプライズでこれを渡しに来たんだよ。指輪、貸して…」
碧にそう言われて、右手で持ったままの指輪を碧に渡す。
すると、碧の右手にも指輪が見えて、また涙が溢れ出す。
碧のつけている指輪は、あたしの指輪のピンクのラインが黒くなっているもの。
碧は、あたしが渡した指輪を、指輪をつけている右手で持って、あたしの右手を掴んで薬指に指輪をはめる…