真穂がくれたのは、チョコレートマフィンで、ケーキ屋さんに販売されてるみたいに綺麗で、見るからに美味しそう。
真穂は昔っからお菓子作りが大好きな女の子。
見た目も、背がちっちゃくて、色が白くて、さらさらの黒髪はとてもロングで、本当に可愛い。
もちろん、彼氏はいて。
隣のあたし達の学校よりも少しレベルの低い普通科高校に通ってる。
碧と同じ野球部で、碧と同じようにカッコよくて性格も良くてモテモテだった
古城泰一 ‐ こじょうたいち。
中学校の頃、あたしと碧、真穂と泰一でダブルデートしたり、一緒にいることがいっぱいあったから、あたしも泰一と仲良し。
「あ、そういえば、泰一にチョコ持って行ったのー?」
「うん!駅に来る前に渡して来たよ。」
「泰一、すっごく喜んでたでしょ?」
「うん…、あっもう電車来ちゃう。あ、泰一ね。すっごい喜んでくれてた!」
真穂の一声で、改札の方に向かって、改札を通り、電車をホームで待つ。