「ほら、家に入れよ。あ、今日は美波のお母さんとか祐樹先輩に挨拶できなくてごめんな。」
「いや、いいよ!今日はお兄ちゃんの三者面談だったし、仕方ないよ。大丈夫!」
「ん。ごめんな、ほんと。じゃあ、美波は家に帰って。」
「いいって〜!じゃあ、また今度デートしようね!!ばいばい。」
「ん。じゃあな!」
あたしが手を振ると、碧も大好きな笑顔で手を振ってくれる。
そんな瞬間がいつも大好き。
あたしが家の中に入るまで、碧はあたしの方を見てくれていて、笑顔で手を振ってくれている。
碧はいつもあたしの家まで送ってくれて、家の中に入るまで見送ってくれる。
なんか、あたしが家の中に入らないと、碧は帰れないんだって。
なんでなのかは知らないけど、昔からそうだったから何も考えずに遠慮せず家に帰る。
家の中に入ると、碧の余韻に浸って顔が緩んでしまうけど、もう当分会えないことを考えたら…
少し気が滅入ってしまう。
あたしにとって碧はどれだけ大きな存在なんだろう。
日に日に、碧はあたしにとって、大切でとても大きな存在になっていってる。