「なぁ美波、夢…覚えてる?」
夢…
夢といったら、思い浮かぶのは1つしかない。
中学生の時、そして高校生の時にもう1度願った夢。
「うんっ。覚えてるに決まってるじゃん。」
「全部叶ったな。」
「…うんっ!」
碧がとびっきりの笑顔でそう言ってくるから、披露宴中もたくさん泣いたのに、また涙が溢れてくる。
碧はプロ野球選手になることも叶って…
あたしはこれから碧の隣で碧を支えることが叶っていく…
碧のあたしをプロ野球選手の奥さんにすることも叶って…
碧のお嫁さんになって、碧の赤ちゃんを産むことも叶った…
ずっとずっと願ってきた夢が叶ったんだ。
「まぁ、婚姻届を出すのは明日なんだけどね。美波は明日から瀬川美波じゃなくて、藤川美波になるんだな〜。」
「ふふふっ、そうだよ〜。そして空海も、瀬川空海じゃなくって、藤川空海になるの。」

