あたしには空海がいれば、他に何にもいらないって思うの。


欲を言えば、碧と空海と3人で仲良く暮らしたい……


でもそんなこと、あたしが望む権利はないの。


碧を傷付けて、空海をお父さんのいない子にしてしまった。


お父さんは、「空海は美波1人の責任でできたわけじゃないだろ。碧くんにも責任はあるはずだ。」って言うけど…


あの、誕生日であるクリスマスの日……しっかりと避妊はした。


でも、空海を妊娠した。


これは紛れもない事実だし、あたしは誰のことも責めたくない。


碧は空海の存在を知って、自分のことを責めてしまうかもしれない。


そして、あたしのことを軽蔑しちゃうかもしれない。


空海のことを拒否するかもしれない。


やっぱりそれを考えると、碧に会うことは出来ない。


…あたしのわがままなんてことは分かってる。


でもやっぱり怖いの。


だからあたしは、どんなに大変でも1人で空海を育てるの。


碧がいなくても、この指輪はある…


空もある…


大丈夫。大丈夫。大丈夫。