「…あのっ、お母さん、」
車に乗り込んだ時、お母さんにそう話し掛けた。
「相手は、碧くん?」
「…う、うん。」
「そう……、美波は赤ちゃんを産みたいの?」
「産みたい。大好きな人との子供だよ?中絶なんて…そんな酷いこと出来ないよ。」
「美波、子供を育てるってそんなに簡単なことじゃないのよ?碧くんだって、夢に向かって頑張ってる時なのに…」
「分かってる…!でも、必死で生きてるんだもん…。ちっちゃいのに、あたしのお腹の中で必死に生きてる。あたし、碧とは別れて…1人で育てる。」
「…え?何甘えたこと言ってるの!1人でなんて、まだ高校生の美波が育てられるわけないでしょ?」
「もう18だよ?お母さん達にたくさん迷惑かけちゃうかもしれないけど…産みたいの。お金は、しっかりと返していくから。」
「そうね…確かに美波はもう18歳。結婚だって出来る年齢よ。でもね、お金を稼ぐのも、子供を育てるのもそんなに簡単なことじゃない。…でも、美波の気持ちも分かるわ。」
「……お母さん?」
「美波だって、もうお腹の子のお母さんだもんね…。お母さんも、祐樹や美波を妊娠した時、本当に愛おしかった。好きな人の赤ちゃん…そんな大切なもの、ないわよね。」

