なんでこんなに嬉しいこと言ってくれるの…?


気付いたら、なかなか自分から掛けれなかったはずなのに、碧に電話を掛けてた。


嗚咽が出て、涙もまだたくさん流れて、電話して話せる状態なんかじゃないのに、


早く碧の声が聞きたくて…


碧にお礼が言いたくて…



『もしもし、』


「…うぇーん!あおい〜……!」


『え、美波?なんで泣いてんだよ。』


「だ、だってぇー…テレビとか、新聞とかぁ……もう、碧のばかぁぁ!」


『ばかはないだろ!ほんと泣き虫だなぁ。』


「…っ、碧のせいだもん…!あおい〜……ごめんなさい、そして…ありがとう…っ。ありがとう、ありがとう…っ」


『俺も、俺もごめんな。多田賢介くんがな、俺のとこまで来て謝ってくれたんだよ。ごめんな…美波のこと信じてやれなくて。電話も出来なくて。』


「多田くん…がっ?」


『そう、賢介が。あいつは本当はいいやつなんだな。美波は渡さないけど。』