「なんで謝るんだよ…?」


「碧先輩っていう、彼氏がいるのに好きになってしまって。僕ずっと、美波先輩を奪ってやるって思ってました。でも…今分かりました。美波先輩、碧先輩と何かあったら笑顔が少なくなるんです。だから、僕の好きな美波先輩は碧先輩がいるからこその美波先輩なんです。碧先輩に勝てる人なんていませんよ、絶対。」


「賢介…すげーな。なんで好きな人の為にそこまで出来るんだ?」


「美波先輩の好きな人が碧先輩だったから…ですかね。」


「お前、いいやつじゃん…。俺も美波のこと一目惚れだったんだよ。」



まさか今日、ここに来てこんなにも碧先輩と話せるとは思ってなかった。


碧先輩は心の底からいい人なんだな…性格までもかっこ良くて、美波先輩に似合う人はこの人しかいないんだろうなって思った。



「美波は、俺が唯一好きって心の底から思った人なんだよな。一目惚れも美波しかしたことないし。本当に可愛すぎんだよ。だから、不安なんだよな…。美波のこと好きっていうやつ、賢介の他にもいるだろ?」


「…ま、まぁ。聞きますね。でも、碧先輩が彼氏って聞いてみんな引き下がってますよ。」


「ほんとかよ〜!でも賢介みたいに引き下がらないやつもいるだろ?あははっ」


「僕はもう引き下がりましたよー!もう碧先輩には勝てませんって分かりましたもん。」


「賢介なら、絶対にいい人見つけること出来るよ。本当に。お前いいやつだもん。美波に、誰も寄り付かないように見ててくれよな。」