「み、美波先輩のことで…!」
「美波は俺のものとか、わざわざ言いに来たのか?…ふざけんな。」
さっき見せてくれた笑顔なんかもう無くて、僕に対しての嫌悪感が藤川選手から漂ってくる。
「違うんです!僕が、僕が勝手に美波先輩を追いかけてただけなんです。この間も、僕が勝手に美波先輩を連れ出して、…だから、だから美波先輩は悪くないんです!」
「拓磨!俺ちょっと練習抜けるわ!…多田くん、ちょっと向こう行こうぜ。」
藤川選手は、拓磨さん…確か藤川選手とバッテリーを組んでるキャッチャーの谷口拓磨選手にそう告げた。
そして僕に少しだけ笑顔を向けて、そう言ってくれた。
「俺…ちっちぇーなー。電話から男の声が聞こえてきただけで、あんなに怒って、美波を傷つけてしまった。」
グラウンドを出て、田んぼがあったりするような道を歩きながら話す。
「そんなことないです!僕がいけませんから…あそこで美波先輩と藤川選手のこと考えずにあんなこと言うのが悪いんです。」

