タカラモノ ~同じ空の下で~




あの決意した日から数日が経って、今日は土曜日。


部活が休みになった日にはゴロゴロする日でしかなかった。


…けど、今日は違う。


今日は、電車に乗って、いつもは行かないような遠い場所に向かってる。


もうすぐ甲子園出場を果たす高校があるところ……そう、美波先輩の彼氏である藤川選手がいるとこ。


あれから、美波先輩に話し掛けたりすることはしなくなったけど、やっぱり目で追ってしまう。


あの日からの美波先輩は、見るからに元気がない。


たくさん泣いたのか目も腫れて、精神的にも参ってるように見える。


……それもこれも全部僕のせい。


ごめんなさいってしっかりと謝りたいけど…、謝ろうと少しでも近付いて美波先輩の視界に入ると逃げられるんだ。


美波先輩の友達の永岡真穂先輩にも、

「あのさ、もう美波に近付かないでくれる?本当に好きなら、美波のこと考えてあげて…」

って言われたから。


なおさら、近付くことなんてできない。