じゃあっ……それなら、呼ぼうかな。
そう思った時に、碧からの電話が来たの。
そして、仲直りできたし良かった…って安心したら、電話の向こうの碧に聞こえるような大きな声で多田くんが話し掛けてきた。
だから…また碧と喧嘩になって、電話を切られた。
碧に電話を切られてから涙が止まらないあたし…
もしかして、嫌われちゃった?
もう美波なんかいいって、碧は思っちゃったかな?
あたしが浮気してるって思っちゃったよね…
「…美波先輩?」
何食わぬ顔して、心配したような顔して、あたしに近付いてくる多田くん。
ふざけないでよ…
あたしは、今多田くんのせいで碧と喧嘩しちゃったっていうのに。
「…け、賢介!賢介って呼ぶから…、あたしにもう近付かないで…っ!」
そうとだけ多田くんに伝えて、中庭を去る。
何か言うかな?とも思ったけど、後ろから何も聞こえない。
あたしが言った後の多田くんのくんの姿、見てないけど…やっぱり少しだけ言い方強かったかな?
あんなに嫌いだったのに、こんな心配までしてしまう。
ううん。
これでいいの!
多田くんには嫌われていいんだから。