「…っ、ちょっと!」
って多田くんを止めに行ったら、多田くんに手を掴まれて…
中庭まで連れて行かれたんだよね。
涼花は「え?ちょっと、美波!」って言ってたんだけど、多田くんが「すみません!借ります!」なんて返してた。
何回も多田くんの手を振りほどこうとしたけど、年下って言ってもやっぱり男の子だから、力は強くて…
中々、あたしの手から多田くんの手が離れることは無かった。
やっと中庭について、誰にも見えないような所に着いたら、手が離れてくれた。
「何でこんな所に連れてきたの?」
「ん〜、美波先輩と2人きりになりたくって!」
「…はぁ。もうこういうのやめてくれない?本当に困るの。」
「そんなこと言われても、僕は美波先輩が大好きですから。」
「……だから、」
「じゃあ、僕のこと賢介って呼んでくださいっ
!」
「…は?」