でも、まぁ…たまにはいっか。


碧のことも谷口くんからたくさん聞いたし、あたしも教えないとフェアじゃないもんね。



「美波…ごめんな。俺のこと信じてないとか、我慢しろとか、俺ほんとにごめんな。」


「ううん!もう、いいの。あたしこそごめんね。あたしも色んなこと言っちゃった……。普通のカップルが羨ましいとか言ったけど、あたしはその相手が碧じゃなきゃ意味ないから…」



羨ましいっていうのも本当だったけど、その相手が碧じゃなきゃ、本当に意味がない。


あたしは碧じゃなきゃだめだから。


あたしは碧だけが好きだから。



「俺、本当に美波が好き。美波がだいだいだ〜いすき!分かったか?俺は、美波しか見てないから。我慢させてることたくさんあるよな…。でも俺は美波のこと幸せにするから。海で話したあの夢、絶対叶えるから。」


「…覚えてたんだ。……あたしも、碧のこと大好きだよ。あたしも碧のことしか見てないからね。本当に頭の中、碧のことでいっぱいだもん。」



坊主の人を見たら碧かなとか思ったり、碧と同じ178センチメートルくらいの人を見かけたら碧かなとか思ったり…


夜ご飯でオムライスが出たら、碧オムライス好きだよなとか考えたり、ブドウ見ただけで碧を思い出したり…


本当に碧のことばっかり。


あたしから碧を取ったら、何が残るんだろうってくらい碧ばっかりなんだよね。


碧も、155センチメートルくらいで色素の薄い髪色の女の子を見かけたら、あたしかな?とか思ってくれてるといいな…


碧の頭の中を覗いたら、あたしばっかりだったらいいな…



でも、自分が自分である源は、あたしだったら碧で、碧はあたしなんだもんね。


あたしはこれからもずーっと自分の源が碧であることは変わらない。


碧も変わらないことを願わなきゃ。


そんなことを考えながら1日が過ぎていった。