「美波お前、ほんと可愛いな。」
大好きな笑顔で、大好きな声でそう言ってくれた碧。
あたしはその言葉を聞いた途端、また涙が溢れ出て、碧に抱きつく。
「あおいぃぃ〜……ばかばかばか!!」
「なんでそんな怒ってんだよ。」
「頭も怪我して、足も骨折して、全然目も覚めなくって…!あ、目を覚ましたらお医者さん呼ばないといけないよね。」
そう思って、お医者さんを呼び出すボタンを押した。
あたしって、碧が目が覚めてくれたの嬉しいくせに、素直になれないんだよね。
…でも、あたしの独りで喋っていたのを聞いていたとしたら、あたしの想い全て知っちゃったよね。
それからお医者さんに少しだけ診られて、やっと戻ってきた碧のお母さん達にコーラをもらった。
もう碧は大丈夫で、あとは頭の怪我と足の骨折が治るのを待つだけみたい。
碧のお母さんと琳ちゃんは、入院するための荷物を取りに家に帰った。
また2人きりになった。
でも、さっきとは違って、碧が目を覚めている。
「碧、いつから聞いてたの?目、覚めてたんでしょ?」
「拓磨が帰るって時にはもう目は覚めてた。」
「…え!?それってほとんどじゃん。」
それならそうと普通に目を覚ましてくれたって良かったじゃん。
「いきなり美波が話し始めたから全部聞いてやろうと思ったら、途中でバレちゃった。」
「バレちゃった…じゃないよ〜。」
恥ずかしい。
恥ずかしすぎる。