まだ泣いてるのです。
私ではないですよ?

真っ黒な猫です。

いきなり目の前に現れた猫は
私から離れないのです。

(私も離れようとしてないけど…)

ニャーニャー

ニャーニャー

ニャーニャー


……いつまで泣いてやがる。

うるさいと思いながらその場から離れられない私なのです。

なんででしょうか。

「どうかしたの?黒猫ちゃん」

迷子なの。

野良猫……か。

私はやっと変えろと思い座っていた
私は立ち上がった。

一歩歩いた時でした。

ミィヤーと猫が泣き見した。

「いきなり変わった泣きかな、するなのね」

猫は私の目を時って見ていました。
動かずに。

ここから離れられないと言うように。
私は思ったのです。


悲しい、と。


この猫は悲しんでる。
目を見て感じたのです。

なんでだろ、そんな疑問はさておきです。

「じゃーね。黒猫ちゃん帰らなきゃいけないの野良猫じゃないなら帰りな」


そう言って私はまた一歩ずつ歩き始めました。

置いてきてしまった少しの罪悪感とともに。



私の家は一軒家です。
とっても広いです。

そこに一人ぼっち。

よく聞く共働きというやつ。
わがままの言い方も忘れてしまった。

あるあるすぎで、笑えてくる。

「ただいま」

誰に言ったのかな。ちゃんと言うように
していたただいまももう、言いたくない。


今日の夜ご飯何にしようかな
と考えていた。

でも、チラチラと私の頭をよぎるものがいた。

そう、あの真っ黒な猫です。

いつもの変わらない猫なのに。
街に住み着く野良猫なのに。

なんでこんなに頭から離れないんでしょうか。