「なあ、咲恵(サエ)」



「なんですか?」



「さっきの気になる…昔の、、話」



「まあ」





…お父さんが昔話を聞きたいなんて珍しい。
思わず口元が緩んでしまいそうになってしょうがない。




「はやく、なんだ昔の話って」


「そんなに急かさないで下さい…ふふ。
だいぶ時間さかのぼりますけどいいですか?」


「もーはやくしろ」


「はいはい」





こんなにも昔の事について聞きたがるお父さんにまた口元が緩んでしまいそうになる。

私はお父さんにニコリと微笑み、口を開けた。









「あれは確か━━━━━━」