そう、昔話があまり好きじゃないこの人には言えないお話。
まだまだ若かった頃のお話。
どれくらいだろうか━━━。
まだ高校2年生くらいの頃だろうか。
2度と恋愛なんてしないと誓っていた頃が懐かしい。
そんな私を変えてくれた人がいてね。
出会いはそんなにロマンチックではないけどホントに偶然な出会い。
きっとその出会いがなかったら私は変われなかったかもしれない━━━いや、変われなかったはずだ。
変えてくれたからこそもう1度恋ができた。
無理だと思っていた結婚までできた。
そして━━━
私は今でもその人に「恋」をしている。
「ねえ、お父さん」
「…なんだ?」
「好きですよ」
「!? は!?
どうしたんだいきなりっ…」
「ふふふ」
こうやって照れてしまうのもずっとあの頃から変わらない。
お父さんは忘れてしまっているのかもしれないけど私にとってあの頃が1番濃い思い出だ。
