「但し」

老医者は振り向いた。

「お前が人殺しとして復帰するのは『治療費』だ。どんな手を使ってでも復帰してもらう。例え副作用が半端ない劇薬を痛み止めに使ってでもな」

こちらの意向は無視という事か。

成程、やはり彼も真っ当な医者ではない。

念押しもイエス、ノーも聞かない辺り、それは最早強制なのだろう。

「悪徳医師に捕まったものだ」

ベッドの上でぼやく亮二。