「それによ」

窓際に歩いて行く老医者。

「命拾いした所で、更生しねぇ奴はしねぇだろ?人殺しは、何処まで行っても人殺し。それ以外の何かになる事はねぇ」

「…確かにな」

静かに目を閉じる亮二。

拾った命をどう使おうが知った事ではない。

突き放した物言いが、かえって心地よかった。

これを機に真っ当に生きろなどと、今更説教を聞くつもりはない。